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風林火山アンジャッシュ

こんぺいとうの妖精こんぺいとうの妖精

ようやく由衣さん(本人)を出せました〜 こーめーさん離れた場所の火薬の匂いわかるくらいだから絶対嗅覚いいと思う

「帰りは迎えに行かなくて大丈夫ですか?」

出掛けようとパンプスのストラップを留めていると、そんな声が降ってくる。振り向くと、スウェット姿の高明くんがすぐ後ろに立っていた。今日は非番なので、お昼前に帰宅してからは自室で寝ていたはずなのだけれど、起きていたらしい。微妙に寝ぐせついているし、手にマグカップを持っているところを見ると、コーヒーを飲もうと起きたところなのかもしれない。

「ありがとう。でも、駅近のお店みたいだしバスで帰って来る。そんなに遅くならないし。高明くんはゆっくり休んでて」
「夜だとバスの本数も少ないでしょう。連絡してくれれば、車を出しますよ」
「仕事ならともかく、遊びに行くんだからそこまでしてもらうのは申し訳ないよ」

言いながら、もう片方のストラップを留める。うーん、ピカピカの新しい靴ってテンションが上がる。よいしょ、と軽く勢いをつけて立ち上がったら、まだ慣れない靴のせいでちょっとよろけた。溜息交じりにそれを支えてくれた高明くんが、何かに気付いたようにふと呟く。

「いつもと違う香水ですね……ミス・ディオールですか」
「うん。そうだけど……香りだけで当てられるのすごいね。私全然わかんない……」

……まあ、ここまでドンピシャで当てられるのは元カノが使ってたんだろうな、と察しはつくけれど。無意識に口をついた言葉だったのか、高明くんも微妙に視線が泳いでいる。「あっ、ヤベ」って感じの顔だ。……たぶんこれ、まだ半分寝てる。私の寝起きがポンコツなのはどうやら父方の遺伝らしい、と言うのは高明くんと暮らし始めてわかったことである。寝起きから元気だったヒロちゃんは母方の血が濃かったのかもしれない。

「高明くん、これ何の香りか知ってる? 薔薇はわかるんだけど」
「……オレンジとスズランかと」
「スズランかー」

さすがに薔薇くらいならわかるけれど、香りの種類に関してはお花だ、とかお菓子っぽい、とか、何かの葉っぱ……?くらいのフワフワ加減である。香水好きな怜子ちゃんからすると信じられないらしく、いつも「嗅覚鈍いんじゃないの」と呆れられてしまう。

「……購入するとき説明があったでしょう」
「貰い物なんだよね。こんな高いの自分じゃなかなか買えないもん」

この間怜子ちゃんの家に泊めてもらったとき、「好みの香りじゃないからあげる」とミニボトルやサンプルをもらったのだ。……怜子ちゃんはツンデレなので、もしかしたら本当は不用品や余りではなかった可能性もありそうだけれど。

「女子会だし、会うの久々だし。せっかくだから使ってみようかなーって」
「女性のその『女子会』って呼び方、楽しそうでいいですよね」
「高明くんもかんすけくんと飲んで『男子会♡』って言えばいいじゃん」
「やめてください」

今日は、由衣ちゃんと2人で飲む約束をしているのである。
由衣ちゃんは仕事柄気軽に県外に出るのは難しかったし、私も親戚の結婚式なんかで長野に来ることはあっても、由衣ちゃんとは予定が合わなかったりして、最後に会ったのはもう1年以上前だ。由衣ちゃんに会えるのも嬉しいし、そもそも友達と会うこと自体久しぶりだ。楽しみ過ぎて、昨夜からずっとソワソワしていた。仕事以外で誰かと会っておしゃべりしたのって怜子ちゃんの家に泊めてもらったとき以来だから、えっと……えっ、1ヶ月以上ぶり? そんなに経つ?と思わず動揺した。

「楽しんできてください。由衣さんも色々と立て込んでいたようですから、友人と話すのは気分転換になるでしょうし」
「うん。まかせて!」

言われなくても、由衣ちゃんの新婚ラブラブトークを聞く準備は万端である。予約してくれたお店は個室らしいから、多少込み入った話をしても大丈夫だろうし。まあ、もし結婚生活つらいよトークになったとしても、由衣ちゃんのストレス発散になるなら何よりだ。
行ってきまーすと玄関ドアの外に出て、鍵をかけて。その向こうにまだ居るだろう高明くんの姿が見えなくなったことを確認して、「ハァー」と息を吐いて脱力した。

ストーカー(仮)の一件以来、高明くんは以前にも増して過保護になった気がする。

まあ高明くんの場合、元々細やかに気が回る性格だと言うのもあるだろうけれど……やっぱり先日のドラッグストアでの出来事で責任を感じているのが理由な気がして申し訳ない。
アレがダメとか、これをした方がいいとか言わなくなった代わりに、その分先回りして高明くんがやってくれようとする。心配してくれているのはわかるのだけれど、何と言うか……付き合いたての彼氏でもここまでしないよ、と言うレベルだ。今だって、以前ならたぶん「気を付けてくださいね」で終わって、迎えに行くとまでは言わなかった。確かに一歩間違ったら危なかったかもしれないけれど、その一歩はなかったのに。勘違いでよかったね、で終わらせられないのは、高明くんらしいと言えばらしいけれど。

『これからも先生のイラスト、楽しみにしてます』

ストーカー(仮)もとい犬井くんとは、あれから1度お店で会った。それから、彼に手紙を出すよう勧めたと言ううちのマンションに住んでいる女の子とも。2人とも、もう大丈夫だからと言っても何度も何度も謝ってくれた。まだ夜の外出は不安だし、後ろから足音がすると動悸はするけれど、昼間の外出ならほとんど問題なくなった。

……「家族」が「自分が居ない間に」って言うのがダメだったのかなあ。

私は「家族」じゃないけど。一応血縁にあたるし、一緒に住んでるし。たぶんその状況は、おじさんとおばさん────高明くんの両親が亡くなったときに似ている。あの事件は、高明くんが林間学校で留守にしている間に起こったらしいから。犯人が捕まったからと言って、高明くんが受けたショックが消えるものでもないだろう。トラウマ……とかフラッシュバック、と言うやつなのかもしれない。
高明くんがあまりに過保護なせいで、もしかしてこの間、映画館まで一緒に来たのも私を1人で行かせたくなかったせい? とか、考えてしまう。いや、さすがにね? さすがにそれは自意識過剰……とも思うのだけれど。
話題作だから、「僕も見たかった映画なので」と言われてあのときは納得したし、高明くんが一緒なら車を出してもらえるのもあって、じゃあ一緒にと了承したけれど。私はクリス・ヴィンヤードが目当てだったので忘れていたけれど────脇役なので出番は多くなかったけれど、ドレス姿の彼女はそれはそれは華やかで美しかった────よく考えたらあの映画は一応ジャンルは歴史物でも、内容はルイ15世の寵愛を巡っての女同士のギスギスドロドロ、愛とは何か、あの時代に女として生きる葛藤と苦悩……的な感じである。少なくとも、カップルでもない男女が2人で見に行く映画としては一般的に推奨されない。あの映画が見たかったのは本当かもしれないけれど、高明くんは別に「誰かと一緒に見て感想を語り合いたい」と言うタイプでもないはずで。たぶんアンバンマンだろうとプリピュアだろうと見たければ1人で行くし、周りを囲む家族連れにヒソヒソされても子供に指を差されても気にしないだろう。
PG12のレーティングも妥当な、思春期をとうに過ぎた私でも「おお……」と圧倒されるようなベチャベチャに濃厚なキスシーンが画面いっぱいに映し出されて、後ろの席のカップルがイチャつき始めて「やだぁー」とか甘ったるい声とクスクス笑いが聞こえてきたときは、さすがに気まずかった。感情をできるだけ無にして、腕に抱え込んだポップコーンのケースから1粒ずつカサカサポリポリ貪ることに集中するしかなかった。その結果、映画の前半にポップコーンがなくなったのが不服だったらしい高明くんに、見終わった後「リスですか君は」と文句を言われた。Lサイズを頼むべきだったかもしれない。
……いや、うん。ポップコーンのサイズはどうでもよくて。問題は、先日の一件はどうやら高明くんの中でも尾を引いているらしいと言うことだ。

「……って、バスの時間!」

間に合うかな、と慌てて廊下を進みながらスマホを確認する。腕を持ち上げて顔からの距離が近づいた分、手首からふわっと甘い香りが広がった。ちょっとつけすぎたかな……。高い香水だし、いつもの量だと多すぎたのかもしれない。

……そう言えば再会したあの日、高明くんのスーツからは香水の香りがした。

今もきっと毎日つけているのだろうけれど、あまり意識することはない。引っ越した日に感じた、知らない部屋独特の匂いも、今ではすっかり感じなくなった。たぶん、慣れてしまったのだろう。
香りに馴染む程度には時間が経って、2人の間に「いつも」ができて。ぬるま湯のような奇妙な居心地のよさは、私達が他人同士だからだ。この生活は、今だけだとわかっているから。いつか終わることが前提だから、相手に合わせられる。期待していないから、不満もないだけ。
お互いの寝室に入らないのと同じ。必要以上に踏み込まない。その必要がない。私達は、家族でも、友人でも、恋人でもないから。
だからこそ、この間の夜のことはお互い触れない。暗黙の了解として守っていたラインを高明くんは越えかけたし、高明くん自身それに気が付いた。触れないことで、何もなかったことにした。

「……高明くんのせいなんかじゃないのに」

私がもうちょっとしっかりしてたら、高明くんもここまで心配しなくていいんだろうなあ……なんて。こう考えてるのがバレたら、高明くんはきっとまた渋い顔をするのだろうけれど。はあ、と小さく溜息が漏れた。

「由衣ちゃん!久しぶり!あ、スカートだ。可愛いー」
「結月。ごめんね、待った?」

久しぶりだからちょっと心配だったのだけれど、待ち合わせ場所に現れた由衣ちゃんは遠目でもすぐにわかった。シンプルなサックスブルーのシャツに、やっぱりシンプルなベージュのタイトロングスカート。スラリと長身の由衣ちゃんだからこそ映える組み合わせに、ほうっと息が漏れる。髪下ろしているの新鮮だねと褒めると「結月も可愛い」とふんわり微笑んでくれた。久しぶりなせいか、あまりの美女ぶりに照れてしまう。と言うか、ウエスト。ウエストが細い。頑張れば両手で掴めそう。

「由衣ちゃん髪伸びたねー」
「そうね。最近美容院行けてなくて……」
「行ってなくてそれ!? え、シャンプーどこの!?」

そんなサラサラツヤツヤの綺麗な黒髪なのに!?と目を見開く。そして、教えてもらったシャンプーは私も使ったことがある商品だった。悲しい。元々の髪質かなあ、と肩を落とす。
いけない。子供の頃からの付き合いなせいか、気を抜くとつい小学生みたいなテンションになってしまう。こんなに綺麗なお姉さん然としている由衣ちゃんの隣を歩くのだから、もっとこう落ち着きを持って、年相応に振舞わなければ。

「それでね、先輩は真剣に結婚考えてたのに、相手は違ったらしくて。トリックのために先輩のマンションに入る必要があったんだって。あ、殺人自体は未遂だったらしいんだけど」
「すごい話ね……」
「先輩落ち込んじゃってて心配なんだよね……。これって結婚詐欺とかにならないのかなあ」
「うーん。金銭的な被害がないなら難しいかもしれないわね……」
「やっぱりそっかあ……」

そんなある意味アラサーらしい会話をしつつお店に向かっていると、ポケットの中のスマホが震えたのに気が付いて立ち止まった。画面の表示を見ると、高明くんからだ。電話がかかってくるなんて珍しい。

「ごめんね、ちょっと出てもいい?……もしもし?」
『すみません。召集がかかりました。新野署管内の銀行で、立てこもり事件が発生したようでして』
「立てこも……えっ、大丈夫なの!?」
『なので、頼まれていた宅配便の受け取りができません。クール便と言っていたので、急ぎ連絡した方がいいかと』
「わかった。連絡ありがとう。立てこもりかあ……えー……大変だね。気をつけてね」
『ええ』

今日はこの後、怜子ちゃんが送ってくれたイケナカのケーキが届く予定なのである。高明くんが「僕が受け取っておきますよ」と言ってくれたので甘えてしまったのだけれど、そう言う事情なら仕方ない。急いでいるだろうと「じゃあ、お仕事頑張ってね」と会話を締めくくった。けれど、電話はまだ切れなかった。

『……それから』
「うん」
『さっきはすみませんでした。少々寝ぼけていたもので……香りや香水に言及されるのは、気味が悪かったかと』
「えっ、全然気にしてないよ!?」
『そうですか……それならよかったです。では』

電話を切って、しみじみと息を吐く。あのヤベって顔、気にしてたのそっちだったのか……。高明くんの方が私より乙女かもしれない。コンプラがしっかりしていてえらい。
ええと、そうだ。荷物。19時指定だから……あ、今ならまだ変更できそう。これを21時に変えて、っと。

「あ、ごめんね。待たせちゃって」
「ううん。ねぇ結月。今の電話の相手って……?」
「高明くん。ヤマトの受け取りお願いしてたんだけど、呼び出されちゃったらしくて」
「………………えっ?」

その反応に、そう言えばと気づく。由衣ちゃんには一緒に住んでることを言ってなかったかも。県内だしすぐ会えると思っていたから、直接会って話せばいいか、と思っていたのだ。動揺している様子の由衣ちゃんにハッとする。これはたぶん、かんすけくんと同じ勘違いをしている気がする。

「別に付き合ってるとかじゃないよ! 色々あって、居候させてもらってて」
「色々って?」
「長くなっちゃうし……ここじゃちょっとアレだから後で話すね」

少なくともたぶん、信号待ちの間にする話ではないだろうし。
久々の再会なのに、重い空気になってしまうのも申し訳ないし。何より、今日のトピックは私の近況より由衣ちゃんの近況についてである。

「いぶりがっこも頼んでいい?」
「白子もいいわね」
「サーモンの塩麹……うーんカンパチのゴマだれもいいなあ。迷っちゃうね」

通された隠れ家っぽい居酒屋の個室で、キャッキャとメニューを選ぶ。楽しい。先に頼んでいたお酒が届いて、じゃあとりあえず乾杯、と言う雰囲気になったタイミングで、そうだと鞄の中から取り出したものをテーブルの上へと置いた。プックリ高級感のあるロゴが入った紙袋。ザ・ハイブラ。ザ・デパコスだ。

「あのね、由衣ちゃん、これ。遅くなっちゃったけど、お祝い!結婚おめでとう!」

ささやかだけど、と付け加えて由衣ちゃんに差し出す。中身は限定品のコフレだ。食器とか、もっと結婚祝いらしいものの方がいいのかなと悩んだけれど。そう言うのはもう他の友達からもらっているかもしれないし、逆に避けた方がいい気がした。今月発売されたばかりの新作だし、怜子ちゃんのオススメなので間違いないだろう。限定カラーのリップも由衣ちゃんに似合いそうな色だったので、これに決めた。
本当は、由衣ちゃんから報告を聞いてからの方がいいのだろうけれど。お酒が入った後だとうっかり渡し忘れそうなので、今が無難だろう。LINEのプロフィールのあの感じからすると、結婚したことを隠しているわけではなさそうだし。
ぱち、と大きな目を見開いた由衣ちゃんは、困ったような苦笑を浮かべた。

「……知ってたの」
「高明くんに教えてもらったんだ。えっと、今はトラダさん? になったんだよね?」

上原由衣と言う名前、女優さんみたいで好きだったのでちょっと寂しいけれど。何にしてもおめでたい。「トラダって動物の虎? 干支の寅?」なんて首を傾げた私に、由衣ちゃんはキュッと唇を噛んで俯いた。

「……ごめん、結月。私、これ、受け取れない」
「えっ」

紙袋だけで拒否。嫌いなブランドだっただろうか。もしくは肌に合わないとか。由衣ちゃんの今の家族構成がわからないので1人で使えるものにしたのだけれど、やっぱりバスギフトとかの方が無難だったかもしれない。

「ご、ごめんね。先に欲しいもの聞けばよかったね……」
「違うの。そうじゃなくて……」

どこから話せばいいかなと、由衣ちゃんが長い睫毛を伏せて髪を耳にかける。うわあ、色っぽい。たった1歳しか変わらないけれど、来年の私にこの色気は絶対出せない。
やっぱり、会わない間に雰囲気が変わった気がする。前はもっとエネルギッシュと言うか、溌溂としたイメージだったのに。もしかして、これが噂に聞く人妻の色気と言うやつ?なんて思っていると由衣ちゃんが顔を上げて真っ直ぐに私を見た。

「……私が刑事をやめたことは知ってるのよね」
「うん。高明くんから聞いてるけど……」
「……その理由も?」
「理由? えっと、結婚したからじゃないの? 寿退社的な……」
「……そう。諸伏警部、結月には話さないでいてくれたのね」

由衣ちゃんは「私も敢ちゃんと同じ県警の捜一に行く」と頑張っていて、念願叶って何年か前に捜査一課に配属されてからは、忙しそうながらも生き生きと仕事していたから、やめちゃうなんてもったいないなとは思ったけれど。高明くんを見ていても、警察官ってとにかく不規則だしハードだ。しかもその高明くんは、「今は所轄ですし以前ほど忙しくないですね」なんて言うし。女性の由衣ちゃんは体力的にそれはもう本当めちゃくちゃに大変だっただろう。なので、結婚して辞めたと聞いても「そうだよね……」と言う納得感もあった。必要だしやりがいのあるお仕事だろうけれど、あんな生活ずっと続けてたら体を壊しそうで心配だ。

「あのね……確かに私、結婚したんだけど……今はもう、旧姓の上原に戻ったの」
「え?」

そう言えば、とテーブルに置かれた由衣ちゃんの左手を見る。由衣ちゃん、薬指に指輪してない。それに────前から華奢だったけど、こんなに痩せてなかった。
離婚、の文字がチカチカと頭の中を点滅する。由衣ちゃんがいつ籍を入れたかわからないけれど、結婚してまだ数ヶ月のはずだ。いわゆる成田離婚的な……? いや、信州まつもと離婚?
理由……は、気になるけど、私から聞くのは失礼だろう。由衣ちゃんみたいな人と離婚しちゃうなんて、その旦那さん見る目ない。ありえない。由衣ちゃんに原因があるはずがないので、きっと相手が原因だ。絶対そう。他に女の人が居たとか……実は借金があったとか?
もしかして、由衣ちゃんは本当は仕事辞めたくなかったのに、旦那さんに無理矢理辞めさせられたとか。それなら納得だ。これ、たぶん正解じゃない? 私にしては冴えてる気がする。

「先月主人が亡くなって……この間、四十九日が終わったところ」
「そうなんだ。しじゅ……えっ?」

とにかく由衣ちゃんの味方をするぞ、と拳を握りしめた姿勢のまま固まった。
今度こそキャパオーバーを起こしたそのときの私は、たぶんネットで有名なあの宇宙を背景にした猫と同じ顔をしていたんじゃないかと思う。

— End —

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銀条月咲8 个月前
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いろは8 个月前
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沙那8 个月前
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Sakuria
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