(飼育小屋で掃除をしていたら声をかけられる)
ねぇ、そこのおねーさん。
…ねぇってば!!
(振り向く)
そうそう、君の事だよ。
掃除、お疲れさん。
って言うか、見かけない顔だねぇ。
…へぇ、最近ここで働き始めた子なんだ。
どうりで…いや、別になんでもないよ。
ふふ、僕かい?
初めまして、僕は…拾われた身だから名乗るような名前とかは無いんだよね〜。
まぁ、仕方ないよ。
僕はこの見世物小屋で金を稼ぐ為の道具にすぎないし…。
はは、パッと見だとわからないと思うよ。
人間は“仮”の姿だからさ。
…あー、笑ったなぁ。
嘘だったらこんな檻の中に閉じ込められないって!
わかった…じゃあ、こっちに来てよ。
信じてくれないなら証拠を見せてあげる。
(少しずつ近づいて行く)
そう、ほら…もっと、もっと…早くおいで〜。
(腕を引いて)
はい、捕まえた♪
…大丈夫大丈夫、怪我させたりしないからそんなに暴れないでほしいなぁ。
(触手音)
ほら、見て…これが僕の正体だよ…。
服で隠れてたから驚いたでしょー?
僕のしょ く しゅ。
…えぇっ、気持ち悪い!?
えーん、傷ついたぁ。
(近くで)
そんな悪い子にはお仕置きしちゃうもんねぇ。
ほーら、
(両耳に触手を突っ込む)
ふふ、ここからどうすると思う?
……正解は、君の耳の中をこうやって、
(耳の中で触手音)
おりゃおりゃ〜。
どう?
んー、くすぐったい…かぁ。
じゃあ、もっと奥に入れてみるね?
……どう?
あはっ、気持ち良いみたいだねぇ。
じゃあ、ここはどうかな〜?
(彼女が腰を抜かす)
(触手音終了)
あ、ごめんごめん。
ちょっと、やりすぎちゃったかな〜。
でも、その反応は良かったって事だよねぇ?
声も出しちゃってたし…えぇ、デリカシーがない?
人間じゃない僕にそんなのあるわけないじゃん。
面白い事を言う人だなぁ。
まぁ、気が向いたらまた話そうよ〜。
(場面転換)
(足音が檻の前で止まる)
あれ〜?
また、来たんだ。
ふふ、すっかり君も触手の虜だねぇ。
そんなに強がらなくても良いんだよ?
どんな理由でも僕に会いに来てくれるのは嬉しいからさ。
ほらほら、良いからこっちに来なよ。
(檻に近づく)
(触手音)
はい、ぎゅ〜♡
へへ、人間ってあったかいよね。
僕の体温が低いからかなぁ?
今日はこのまま抱っこしながらやってあげる。
(耳の中で触手音)
今日もお仕事お疲れさま。
ここの生活にはもう慣れた?
毎日、変わった生き物の世話をするのは大変でしょ?
…あ、僕が言う事じゃないよね…あはは。
えー、優しい?僕が?
……そんな事ない。
君の方がよっぽど優しくて…(お人よしだよ)。
…ねぇ、これは提案なんだけど。
(近くで)ここから僕と逃げ出さない?
(触手音終了)
やっぱり僕みたいな化け物と一緒じゃ嫌、かな。
君だって親に売られて無理矢理、ここで働かされているんでしょ?
ふふ、この中で僕が知らない事なんてほぼ無いよ〜。
こう見えて耳は良い方なんだからさ。
…ねぇ、ダメかな?
君とずっと一緒にいたいんだ。
だって僕…君を好きになっちゃったから。
だからお願い…皆んなが寝てる間に僕と…あ、待って!
(彼女が走り去る)
(場面転換)
(彼女が鍵を持って帰って来る)
え、戻って来てくれたの…⁉︎
それに、その鍵…っ。
(檻の鍵を開けて)
やっと、出られた…!
君のおかげだよ…ありがとう♡
もー、そんなに急かさないでよ。
僕ね、まだやりたい事があるんだ。
ちょっとその鍵貸して。
(移動)
あ、いたいた。
んー?あぁ、この檻を開けようと思ってさ。
…ふふ、その感じだと君も知ってるみたいだね。
そう、ここに見せ物小屋名物“狼男”がいる事をさ。
ふふ、そうだね、今夜は満月だねぇ。
…だから、面白いんじゃないか!!
あははははっ!
…ね、君は優しいって言ったでしょ?
僕みたいな化け物の言う事をすぐ信じちゃダーメ。
今度からは気をつけなよ〜。
(狼男に向かって)
…ほら、お前も出してやるから好きにしろ。
(檻の鍵、扉を開く)
(狼男が飛び出す)
(暴れてる音)
あーあ、あんなに食い散らかしちゃって…。
まぁ、自業自得だから仕方ないよねぇ。
あはは!
…あ、言っておくけど、君の事は本当に好きだから安心して。
今度は僕が愛情を込めて君を飼ってあげる。
…そんなに泣かないでよ、可愛いなぁ♡
ほら、見たくないなら目を閉じて…
(近くで)
耳は僕の触手で塞いでてあげるから、ね?
(両耳に触手を突っ込んで終了)






















